quantale's diary

日々の数学/物理等の読書記録

はじめての群論

はじめての群論

斎藤正彦 著

 

斎藤先生の群論入門。

ざっと1日で読む、つもりが真面目に2日間で読みました。

 

「はじめての」でありながら、極力「self-contained」となるように、そして初心者の躓きやすいポイントをケアしながら、と様々な心遣いが感じられます。

(多くの学生が躓く、または、見落とす「well-defined」などもきっちり述べています。)

また、多くの代数学の教科書では淡々と定義、補題、定理が続きますが、この本ではどこに向かっていくのか、(さらりとですが)モチベーションを示しながら進めるところが素晴らしいです。

 

多くのamazonレビュワーが言うように、初心者一人では難しいかもしれませんが、指導者がいる場合、大変良い本だと思います。

 

一人で読む場合は、記号論理学や集合論について、もう少し別の本で慣れてから、一つ一つの「(やさしい)」を自分で解きながら、演習問題も解きながら読み進めると、

大変力がつくと思います。(集合論のいい練習問題にもなります。)

 

斎藤先生の長年の教育経験が生かされ、のびやかに、しなやかに、美しく群論が展開されていきます。

 

おすすめです。