なるほど虚数―理工系数学入門 村上 雅人 (著)
なるほど虚数―理工系数学入門
村上 雅人 (著)
「なるほど」の量子力学シリーズから始まり、全シリーズを読もうと思う。
今回は「虚数」を完読。
その他、オイラーの公式について、位相がπ/2ずれた実部、虚部を表現できることなどは基礎ではあるが、面白い。(実際、応用のシーンではHilbert変換や複素ウェーブレット変換でも同様の構成を用いる。深い。)
複素関数論は、数学者の本を何冊も読んできたが、ホモトピー等、位相的な議論から、コーシーの積分公式の証明は大変骨が折れる。著者の提示する方法は、高校生でも理解できそうだ。(もちろん厳密性は捨てるが、厳密性よりも数学的な実体が大事なことのほうが多い。)
量子力学の章とFourier変換の章は、一度学習した人向けかもしれないが、そのほかのすべての章は高校生でも読めそうだ。