quantale's diary

日々の数学/物理等の読書記録

フーリエ解析と関数解析学 (数学レクチャーノート 基礎編)

 2020.10.18 

「新・フーリエ解析関数解析学 」が最新版であるが、

現在廃版のため、中古価格が高騰している。

ひとまず旧版であるこの本を購入した。

 

現代の「フーリエ解析」として、完璧なストーリー展開である。

 

立ち止まってみたときに見える「フーリエ解析」は百科事典のように味気ないが、

本書は今現在の「フーリエ解析」の生きている姿に肉薄したドキュメンタリ―を見ているようだった。

 

Wavelet、量子力学との接続等のみならず、和書であまり書かれていないFrame理論も書かれている。それらが単純なコレクションとしてではなく、有機的な結合として総体をなす様子が描かれている。

 

それら個々の応用ついては、それぞれが1冊の専門書となるほど広がりを持っているが、おおまかな接続関係をたった1冊のBookletで把握できるのはなんといっても痛快である。「新・フーリエ解析関数解析学 」の再版が待ち望まれてならない。