quantale's diary

日々の数学/物理等の読書記録

群論への30講 (数学30講シリーズ) 志賀 浩二 (著)

 群論への30講 (数学30講シリーズ) 志賀 浩二 (著)

 

(2020/09/14)

学部の頃以来、久々の再読。

 

入門としては、有限群に絞ってシローの定理等にフォーカスし、構造論で終わる本が多い中で、本書は応用上重要な位相群、またそれを含む群の表現論の入り口まで一気に案内してくれる。

 

志賀先生の題材の選定に悩む様子はよく理解できる。
(本書では省略されているが)調和解析では、コンパクト群や局所コンパクト群の設定でHaar測度を考えていく。群、位相、測度の相互関係が織りなす美しい世界がある。代数学の一般的な講義ではこれらの世界の入り口はもちろん、雰囲気すら触れられず終わる。


(アーベル群を中心として)有限群の構造の説明を最低限し、それとのアナロジー調和解析につながる世界の入り口まで案内してしまう手腕はさすがである。

 

#1~2日くらいで読むつもりが、会社での教育受講の予復習と並行してしまい、4日で読了。。。反省。

 

群論への30講 (数学30講シリーズ)

群論への30講 (数学30講シリーズ)

  • 作者:志賀 浩二
  • 発売日: 1989/08/01
  • メディア: 単行本