quantale's diary

日々の数学/物理等の読書記録

測度・確率・ルベーグ積分 応用への最短コース 原 啓介 (著)

 測度・確率・ルベーグ積分 応用への最短コース 原 啓介 (著)

 

(2020/09/20)

書店で気になっていたが、日曜日の朝晩で完読。

やはり「最短コース」と言われると数学の立場からワクワクする。

 

  • 無駄をそぎ落とし、手早く骨子を説明。
  • 込み入った証明は省略。
  • 確率論への測度論的アプローチについて優しく導入。
  • 実務上主要な定理は網羅している。
  • 具体的な計算例もほとんど記載がないため、他書での演習が必要。しかし、理論構成を明確にする意味ではこのアプローチは正解だと思う。

 

Hilbert空間における射影作用素を用いて、L^2の「条件つき期待値」をL^1に拡張する手法について、Williamsの本を引例に出して言及している。こうした要素は確かにModernな感じがする。

 

Williamsの本は、私の大学院時代、統計の院生の間で流行っていたが、日本語訳が出ていること、そしてその翻訳者の1名がこの著者であることを今回知った。

 

著者のページ

https://sites.google.com/site/keisukehara2016/home/works/meas_prob_lebesgue?authuser=0

測度・確率・ルベーグ積分 応用への最短コース (KS理工学専門書)

測度・確率・ルベーグ積分 応用への最短コース (KS理工学専門書)

  • 作者:原 啓介
  • 発売日: 2017/09/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

(練図)